旦那の居場所第48回 自家製調味料」礼賛

女将のダンナは「惣菜管理士」というあまり知られていない資格を持っている、 ただのサラリーマン。とにかく大の料理好き!・・で、このお店を間借りさせて あげることにしました。 名づけて「ダンナの居場所・・居酒屋のおやじを夢見て」。 これからも色々な素材を取り上げていきますのでお立ち寄りください。*この記事は1998~2005年に書かれています

我が家の冷蔵庫を開けると保存瓶に入ったいろいろなペーストや液体が並んでいる・・・、これが自家製調味料。こいつがあると臨機応変に料理に使えるため味付けに幅が出る。どの料理にどの自家製調味料を使うかはインスピレーション次第だ。基本の組合せは醤油などの基礎調味料+アクセントになる野菜や香辛料。調味料としてだけではなく漬け込んだ野菜そのものがつまみになったりもする。今回はあると便利ないろいろな自家製調味料について礼賛したい。
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■■■ ・・「自家製調味料」あれこれ・・ ■■■

● ● ●まずは、”にんにく”で● ● ●
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まずは「にんにく」、これを醤油やオリーブオイルで漬け込む。にんにくの風味が醤油や油に移り最高の調味液になる。にんにくも臭みが取れるので刻んで料理に入れたり、そのままかじってもホントに美味しい。にんにくには味がしみ込み柔らかくなっているので炒め物や鍋物、煮物に入れても短時間で火が通る。醤油漬けは豚肉の炒め物、オリーブオイル漬けはパスタなどに合う。

● ● ●”しょうが”で楽しむ常備菜調味料 ● ● ●

ひね生姜は生のままスライスし、これで「醤油漬け」と「ハチミツ漬け」を作る。醤油漬けは炒め物や生臭い料理の隠し味に重宝、もちろん生のままで酒のつまみに最高だ、はちみつ漬けはヨーグルトにかけるが、生の肉にもみ込めばハチミツ風味のローストが味わえる。しょうががたくさん手に入るとみりん、酒、しょうゆで佃煮を作る。これだけでご飯がすすむ。刻んでご飯に混ぜておにぎりにすると乙な味になる。新しょうががある時は自家製ガリを仕込む、ガリは刻んで和洋中いろいろな料理に使える。我が家ではあっという間になくなってしまうので各種”しょうが”系調味料は一番回転が早い。

● ● ●”唐辛子”系調味料のバリエーション● ● ●

生の唐辛子は刻んで醤油漬け、丸のままピクルスにしておく。料理やサラダ、野菜のマリネなどにちょっとしたアクセントになる。沖縄や東南アジアに行くと小粒の赤唐辛子の水煮や酢漬けがあるのでこれは必ずお土産にする。このままでも良いが中国山椒(花山椒)、ごま油、砂糖を混ぜペースト状にするとパンチの効いた「食べるラー油」系の醤(ジャン)になる。山椒を多めにすると、まさに「麻辣醤(マーラージャン)」、しびれるような辛さは病みつきになる。

● ● ●”梅”の深い酸味で料理にコクを● ● ●

梅はなんと言っても便利な調味料、梅干しを刻んで和えるだけでいろいろな素材がおいしくなる。中でもお薦めはクリームチーズ、種を抜いた梅干しを混ぜるだけで抜群のワインのつまみになる。”梅酒”や”梅酢”も重宝な調味料、砂糖少なめ、梅酒は梅1kgに対して焼酎一升、氷砂糖400g。梅ビネガーは梅1kgに対してりんご酢1リットル、氷砂糖300g。小さい容器に移しておくとちょこちょこ使えて便利。もちろんどちらも飲料で楽しめる。梅ビネガーのオンザロックは寝酒の代わりに飲むと何故か寝つきが良い。

● ● ●”らっきょう”漬けは万能調味料」● ● ●

「むきラッキョウ」が出回ると自家製の調味液に漬け込み「らっきょう漬け」にする。湯に砂糖、塩を入れて溶かし、赤唐辛子を入れたら火を止め、少々冷めたらりんご酢を混ぜ、これにらっきょうを漬ける。2~3日から食べられる。らきょうはそのまま食べても良し、刻んでカレーや炒め物に入れたり、汁はドレッシングやパスタソースの隠し味としても便利だ。



ジャムや佃煮などの空き瓶は我が家では絶対捨てない大事なキッチンウエア、いろいろな自家製調味料を作るための常備品です。「ご飯のおかずが足りないなあ」とか、「酒のつまみが何かないかなあ」という時に、冷蔵庫にストックしているこうした自家製調味料群の中から、しょうが、にんにく、唐辛子、梅などなどが応援にかけつけてくれます。もちろん、そのままでも、豆腐やチーズに合わせたり日本酒にもワインにも合うつまみになります。

そういえば昨年まで暮らしていたフィリピンにも、「サウサワン」=卓上で自分で調合するオリジナル調味料、という食習慣があって、小皿に醤油やココナッツ酢、カラマンシ、ラブヨ(小粒の猛烈に辛い唐辛子)などを小皿に入れてフォークでつぶしておかずに合う調味料を作ります。ホントに調味料の魅力とは不思議なものです。

2010年8月 本橋 弘治 copyright by Hiroharu Motohashi

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